ここに宮若丸の大伯父占部左馬助重安、伯父源内右衛門貞安と郎党石松源兵衛、常世十右衛門、桑野、松沢等一騎当千の兵が一所に集まり、十方に分かれて死を恐れず、生を忘れて戦ったので、宮若丸はたちどころに堅陣を打ち破り数人を討ち取り、初陣の門出良しと喜んで勝鬨をどっと上げた。

その時左馬助源内左衛門は引き上げるのにいい頃合であると思い、宮若丸を推し立てて静静と引き上げた。これを見て城は門を開けて出迎える。

立花勢はこれを見て
「敵方にきおひを付る口惜しさよ。付け入りてこの城落とせ者共」
と下知して一文字に押し向かう。尚持は三百余騎で討ち出て両陣互いに火花を散らして戦い、数刻に及んだ。>次へ
大友勢再び襲来≫尚持の死:12345│6│789